2016年9月14日水曜日

腐儒の言語学(111)  なぜ「標準語」があるのか?

Q.なぜ「標準語」があるのか? 

  「標準語」はどの県のことば?  
  「標準語=東京方言」とは言えないのか? 



A.前者は、地方の独立性が強く、多言語(方言)社会であった、日本を、強引に中央政府中心の単一(言語)社会に再編成する言語政策です。

東アジアに覇権を及ぼそうとした時期には、東アジアの国際語の役割を担います。

どちらの場合も、教育・情報伝達が一定のきまった型「標準」がないと、本来の目的に合致しません。 

 後者について、「標準語=東京方言」とは言えません。

東京方言は東京の地域言語です。

「~ちまう・~ちゃう」
「いかねえ」
「行かれない」
「なすった」
「しんじく(新宿)」
「しびや(日比谷)」

…など非標準語的特徴は、多々あります。

これら方言的要素が薄れてきたのは、他の方言と同じ。

ただし、「標準語」は東京方言を基本として作られているので、一番標準語に似ています。

「~であります」など東京方言に由来しない要素も標準語には入っています。 






方言ついての投稿

腐儒の言語学(109) …もしもメディアや政治の中心が東京でなく大阪にあったら

腐儒の言語学(108)  …古文には方言はなかったのか?

腐儒の言語学(107)  …アメリカの方言

腐儒の言語学(106)  …身分、階級、職種などの社会属性に由来する方言

腐儒の言語学(105)  社会的方言(位相)とは

腐儒の言語学(98) 長期間日本語を話さなかった人はどうなるか







0 件のコメント:

コメントを投稿