子3「おっかあ! タラチネって、何だ?」
母「母にかかる枕詞(まくらことば)ことばだな。和歌とかに出てくる。漢字だと、垂れた乳の根っこと書くことが多い」
子3「あー、なるほど!」
母「言っとくけど、別にそういう意味で母を飾ってるわけではないと思うぞ」
子3「しかし使えば垂れるものだろう、乳は」
母「だからって、歌よむのにいちいち『乳の垂れた母よ』って呼びかけるのか? いらんわそんなデスり系修辞!」
子3「じゃあなんでタラチネなんて言うんだ?」
母「しらん! 本職に聞こう。ちょっと国語学者! タラチネのタラって、乳が『垂(た)る』由来なの?」
父「たぶん、ちがうな」
母「じゃ、ひょっとして『足(た)る』か?」
父「それは、ありうるかもな」
母「そっちに乗った! よく聞くがよい! おっかあは母乳量が半端なく足りていたのだ! 子2は五歳、子3は四歳まで飲んでいた。子1のときだけ、ちょっと足りなかったが」
子1「初子だからな。馴れないうちは、なんでも不足するものだ」
母「うむ。すまなかった」
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