2019年5月29日水曜日

タラチネ (家族の会話)



子3「おっかあ! タラチネって、何だ?」

母「母にかかる枕詞(まくらことば)ことばだな。和歌とかに出てくる。漢字だと、垂れた乳の根っこと書くことが多い」

子3「あー、なるほど!」

母「言っとくけど、別にそういう意味で母を飾ってるわけではないと思うぞ」

子3「しかし使えば垂れるものだろう、乳は」

母「だからって、歌よむのにいちいち『乳の垂れた母よ』って呼びかけるのか? いらんわそんなデスり系修辞!」

子3「じゃあなんでタラチネなんて言うんだ?」

母「しらん! 本職に聞こう。ちょっと国語学者! タラチネのタラって、乳が『垂(た)る』由来なの?」

父「たぶん、ちがうな」

母「じゃ、ひょっとして『足(た)る』か?」

父「それは、ありうるかもな」

母「そっちに乗った! よく聞くがよい! おっかあは母乳量が半端なく足りていたのだ! 子2は五歳、子3は四歳まで飲んでいた。子1のときだけ、ちょっと足りなかったが」

子1「初子だからな。馴れないうちは、なんでも不足するものだ」

母「うむ。すまなかった」





0 件のコメント:

コメントを投稿