Q.時代の流れによって「発音」が変化するのはわかるが、発音がかわらないのに、意味が変るのはなぜ?
(例.あからさまなり)
「発音」と平行して意味もかわるのか?
A.「ぜんぜん」という副詞があります。
① 明治以前、漢文で「まったく」という意味の副詞。
② 明治以降、口頭語になった。
「全然賛成だ」「全然悪いです」と、状態の完全性
を述べた。
③ 大正期頃、「全然よくない」「全然だめだ」のように、
「否定的意味」と呼応。
④ 昭和前半、「全然~ない」のように「否定」と呼応す
るよう、固定化。
⑤ 昭和後期~、「否定」との呼応がゆるむ。
同時に、「比較構文」「比較判断の文」に適合。
「こっちの方が、ぜんぜんかわいい」
「ちょっと、まずかったかな?」
「ぜんぜん、いいよ。気にしないで」
文法の体系・語彙の体系は、時代の要請と、システム自体の明晰化を目指して、変化をつづけます。
語彙量が増えれば、意味の分担方法がかわります。文法が分析的になると、意味が切り詰められます。
「発音」以上に変化が激しい分野です。
なお、発音と意味は、別々に変化します。
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