Q.昔の書物を見たりすると、漢字だらけのものや、漢字とカタカナの組み合せの文章です。コトバに対応して、文章の文字も変化しているのでしょうか?
A.文字と文章について言えば、日本語の不幸な歴史の結果です。
① 日本語に文字はなかった。
② 国家の成立とともに、情報の管理の必要性と、情報量の飛躍的増大が生じた。
③ 情報記録の技術として「漢字(中国語の文字)」を導入した。ただし、それは日本語に対応しにくい文字であった。
(不幸のタネ)
④ 「漢文(古典的中国語)」で文書を作成した。
この結果、近代にいたるまで、公文書は「漢文」で書かれます。
⑤ 平安初期、「日本語」の文字として、「ひらかな」「カタカナ」が開発された。
A.「ひらかな」により、「日本語」の「文章語」
(和文・古文)ができた。
B.「カタカナ」により、「漢文」を訓読した形式の
文章体(漢文体)ができた。
⑥ 「漢字」が「訓」をもち、日本語と対応するようになった。
C.日本語ベースの漢字文(変体漢文・記録体)
ができた。
⑦ 以上、三文体を用途によって使い分けた。
また、中世以降、三文体を折衷した漢字かなまじりの「和漢混淆文体」もできた。
⑧ 平安時代頃できた、これらの書式を近世まで、使いつづけたので、言文不一致が生じた。
コトバに対応して、文章の単語はかわりましたが、文字や書式(文法・様式)はあまりかわりませんでした。
史学科で日本史や東洋史を学ぶには、B・Cに習熟することが必須です。
2005年06月23日
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