2016年9月4日日曜日

腐儒の言語学(108)  古文には方言はなかったのか




Q.古文には方言はなかったのか? 


A.奈良時代以前から方言があったことは記録にあります。

また奈良時代末期には、東国方言の和歌が『万葉集』に採録されています。

中世にも、キリシタン宣教師が、方言の違いを記録しておりますので、日本語の歴史を通して、ずっとありました。

しかし、日本語の「文字」の言語は、平安時代の貴族語を基本として作られました。

従って、文章語・古文(和文)には、時代による変化はあっても、方言的変化はまず見られません。 

しかし、古文のことばを、漢文訓読のことば、古記録のことばと比較すると、かなりクセがあることが知られています。古文のことばは「貴族語」という社会的方言だったようです。 






方言ついての投稿

腐儒の言語学(109) …もしもメディアや政治の中心が東京でなく大阪にあったら

腐儒の言語学(108)  …古文には方言はなかったのか?

腐儒の言語学(107)  …アメリカの方言

腐儒の言語学(106)  …身分、階級、職種などの社会属性に由来する方言

腐儒の言語学(105)  社会的方言(位相)とは

腐儒の言語学(98) 長期間日本語を話さなかった人はどうなるか





0 件のコメント:

コメントを投稿