2016年8月5日金曜日

腐儒の言語学(85)




話す速度

Q.話す速度は変えられるか? 臨界期をすぎると、意識しないと無理か? 


A.「話す速度」は、「情報を文にまとめる」速度と、「それを音声に実現する」速度に分けられます。

前者はいわば「考える速さ」で、後者は「音をつくる運動神経の速さ」です。後者は身体運動「走る速さ」と似たようなものですから、人によって違いますが、鍛えれば少し速く、なまけると少し遅くなるものです。

足の速さと同じく、身体運動の機能が完成する時期(10代後半)に大体きまるでしょう。 

 「考える速さ」は、

①情報の量
②処理に関与するモジュールの数
③伝達する回線の速度

によります。

①では、考えずにしゃべると速く、考えながらしゃべると遅く、なります(大学の先生の講義は、話す内容について、ほとんど考えないので速い)。

②はものごとを多面的に処理すると遅く、単純に処理すると早くなります。

③は考える訓練がなされていると(伝達回路が強化されるので)速く、頭をつかわないと遅くなります。こちらは、少し後になりますが、20代なかばまでに、大体決まるでしょう。 


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