2016年8月10日水曜日

腐儒の言語学(103) 官僚と文章語


Q.明治維新の際、教養とは言え、「謡」のことばで会話できるほど習得していたのでしょうか? 




A.「謡」のことばは、文語文体と言ってよいと思います。

「文字」のことばは、情報を管理する知識人・官僚などの基本スキルです。

当時の「武士」は官僚ですから、どこの地域の武士でも文字のことばが使えます。

文語文は平安時代にできて以来、基本構造が一定です。

しかし、話しているのはそれぞれの方言ですからこれは一定ではありません。

だから、ふだんは話さない文章語を敢えてつかったのです。 

 なお、官僚(これが政治の主体だが)は、情報処理を職能とします。ですから、成人するまで、文字教育・社会の基本知識(歴史・道徳・政治…)を訓練されます。 


 昔の人はバカではありません。知力がなければ、結構大きな日本の国が統治できるわけありません。 



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