腐儒の言語学(127) 腹話術
Q.腹話術は口を動かさないで発音しているように見えるが、その音声は、厳密には日本語の発音と違うのか? 他言語でもできるのか?
A.厳密には、
「①ほんの少し口を開き」
「②下あごを動かさないで」
「③唇の動きをみせないで」
発音します。
②により、母音の発音が窮屈ですが、舌の位置によって母音を区別してつくります。
そのため「あ」などは、微妙にくもって聞こえます。
子音は大抵出せますが、③により「唇」をつかう「パ行・バ行・マ行」が困難です(普通できません)。
うまいヒトは「上の歯」と「下唇」(英語の「f」と同じ)で、これらをつくります。
大半の音は普通の日本語の範囲ですが、本当はちがう音もあります。
それらを、つかう単語をつかわない、語頭に出さない、アクセントのつくところにおかない…など、発音のゆるみ・ズレを許容しやすいように工夫することが必要です。
技術よりも台本の方が大切かもしれません。
ちなみに、どこの言語でもできますが、音とコトバの工夫は必要。
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