2016年10月31日月曜日

腐儒の言語学(127)  腹話術



Q.腹話術は口を動かさないで発音しているように見えるが、その音声は、厳密には日本語の発音と違うのか? 他言語でもできるのか? 


A.厳密には、


「①ほんの少し口を開き」

「②下あごを動かさないで」

「③唇の動きをみせないで」


発音します。


②により、母音の発音が窮屈ですが、舌の位置によって母音を区別してつくります。

そのため「あ」などは、微妙にくもって聞こえます。

子音は大抵出せますが、③により「唇」をつかう「パ行・バ行・マ行」が困難です(普通できません)。

うまいヒトは「上の歯」と「下唇」(英語の「f」と同じ)で、これらをつくります。 

 大半の音は普通の日本語の範囲ですが、本当はちがう音もあります。

それらを、つかう単語をつかわない、語頭に出さない、アクセントのつくところにおかない…など、発音のゆるみ・ズレを許容しやすいように工夫することが必要です。

技術よりも台本の方が大切かもしれません。 

ちなみに、どこの言語でもできますが、音とコトバの工夫は必要。 

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